フリーランスは「チーム化」を前提にキャリアを積むべき!?現役フリーランスマーケターにその生存戦略を聞いてみた

これからフリーランスとして活動していきたいんだけど、どうやって戦っていけばいいんだろう…。

企業に属さず個人で働く「フリーランス」というワークスタイルを選ぶ人は年々増えていますが、「フリーランスの将来性」について疑問を抱いている人も多いのではないでしょうか?

フリーランスは比較的自由な働き方を実現できますが、正社員と違って雇用が保証されているわけではありません。

なので、自ら「生きる術」を身につけていく必要があるのですが…そこで今回のテーマとなるのが「フリーランスのチーム化」です!

そんな「フリーランスのチーム化」について、今回は独立後1年足らずで年収1,000万円を達成した現役フリーランスマーケターの笹本さん(@sasamoman)に根掘り葉掘り伺いました!

本記事の内容
・なぜフリーランスはチーム化を前提にキャリア形成すべきなのか
・フリーランスのチーム化が不回避となった背景について
・フリーランスがチーム化するために取り組むべきこと

これからフリーランスとして自立して収入を得ていきたい…。
フリーランスとして戦っていく方法を知っておきたい…。

こう考えていた方は、ぜひ参考にしてみてください!

笹本さん
笹本 康貴さん(@sasamoman)
フリーランスマーケター。新卒でマイクロアドに入社後、3年間新規事業部として活動する。2019年よりフリーランスに転向。マーケティング戦略を主軸に、広報戦略、企画、執筆、イベント運営など活動中。フリーランスのなり方を発信するべく2020年10月に「フリーランス部」を設立する。
初芝
初芝賢@hatushiba_ken
2016年に早稲田大学政治経済学部卒業後、日本IBMにITスペシャリスト職として入社。チームリーダーとしてプロジェクト推進・提案活動に従事。その後2018年にWebデザインベンチャーにマーケターとして参画。2019年に合同会社東京フリーランス立ち上げ後はマーケティング戦略の立案からWebメディアの編集、広告運用のディレクション、LPOなどマーケティング業務全般を行っている。

フリーランスは「チーム化」を前提にキャリア形成した方がいい!?

初芝
本日はよろしくお願いします!
笹本さんとは以前にも対談させていただきましたが、今回はフリーランスの生存戦略について深堀りさせてください!

前回の対談内容はこちら▼

初芝
改めて簡単に自己紹介をお願いできますでしょうか?
笹本さん
よろしくお願いします!
僕はフリーランスマーケターとして活動をしており、現在8社の企業様とお仕事をしています。
デジタルマーケティングを軸にプロジェクトマネジメントや広報戦略を展開してまして、独立8ヶ月目には月に100万円以上の収入を安定的に得られるようになりました。
初芝
フリーランスマーケターで月100万円を安定させられてるってすごいですね!
では早速笹本さんに「フリーランスの将来」について聞きたいのですが、これからフリーランスが勝ち抜いていくにはどうすれば良いのでしょう…?
笹本さん
「チーム化」を前提としてキャリア形成すべきでしょう。
フリーランスは今後より一層チーム化していく流れになると僕は読んでいます。

フリーランスのチーム化が不回避となった2つの背景とは?

初芝
フリーランスのチーム化ですか!?
たしかに最近はチームを組んで一つのプロジェクトをこなすような体制は増えてると感じますが、なぜ今後チーム化が加速していくと言えるのでしょう!?
笹本さん
フリーランスのチーム化が不可避となってきた理由は2つあります。
1つ目が「社会的な労働事情の変化」、2つ目が「Web媒体のアップデートの速さ」です。
初芝
順番に聞かせてください!

背景①労働事情の変化で今後フリーランスが増えていく

笹本さん
1つ目が「社会的な労働事情の変化」ですが、その背景には大手企業の雇用スタイルの変化があります。
笹本さん
例えば大手広告代理店の電通では、一部の正社員を業務委託契約に切り替えて「個人事業主」として働いてもらう制度を開始しようとしています。
2021年1月から全体の3%(約230人)が個人事業主化するみたいなんですよ。
初芝
これはすごい!
将来は大手企業でフリーランスとして働く人が増えるかもしれませんね!
笹本さん
そうですね。
電通は「新しい働き方を求める社員のために制度を導入した」と公表していますが、今後は正社員の雇用が困難になった大手企業が、同じように正社員のフリーランス化へとシフトしていくかもしれません。
笹本さん
フリーランス化が加速すると個人で仕事を請け負う人が増えるでしょうが、どうしても一人ではこなせない仕事も生まれてきます。
そこで一人じゃ受けられないような仕事にも対応できれば、フリーランスとして他と差別化を図れるでしょう。
だからこそ、僕はチームを作って仕事をしていくべきだと思うんです。

背景②Web媒体はアップデートが速い

笹本さん
2つ目が「Web媒体のアップデートの速さ」ですが、最近のSNSは技術の進化や変化がめちゃくちゃ速いですよね。
例えば最近だとTwitterで「フリート(Fleet)」という機能が追加されましたし、Instagramでは「リール(Reels)」という機能が追加されました。

フリートとは?
Twitterで実装されたショートムービー機能。テキストや画像、動画などを24時間タイムラインで共有できる。

リールとは?
Instagramで15秒の単尺動画を投稿できる機能。

初芝
たしかに、言われてみればSNSもどんどん進化していますね!
笹本さん
はい、なのである分野で専門知識を身につけても、それがすぐにアップデートされたり、全く違ったサービスが生まれたりする可能性があるということです。
例えばGoogleやYouTubeのようなプラットフォームは常にアルゴリズムが変わっていますし、最近はTikiTokのような新しい媒体も急速に成長していますからね。
笹本さん
今後はこうした媒体の変化に対応する必要がありますが、それら全てに自分一人で対応し続けるのは中々難しいと思うんです…。
笹本さん
こうした事情があるからこそ、フリーランスとして最前線で戦い続けるには、常に技術研鑽をしながらチームで戦っていく必要があると言えます。

正社員とフリーランスそれぞれのメリット・デメリットをおさえておこう

初芝
今後は正社員とフリーランスの二軸で一層ワークスタイルが多様化しそうですね!
笹本さん
そうですね!
ですが、正社員もフリーランスもそれぞれにメリットとデメリットがあるので、事前にしっかりと両者の良い点悪い点をおさえておいた方がいいですね。
初芝
それも詳しく教えてください!

正社員は雇用こそ安定しているが自由度は低い

笹本さん
まず正社員ですが、毎月一定の固定給がもらえる点がメリットでしょう。
正社員は労働基準法によって雇用がある程度保障されているので、腰を据えて自分のキャリアを形成できます。
初芝
固定給をもらいながらスキルアップできるのはいいですね!
笹本さん
ですが、正社員だと毎日8時間は働かないといけないでしょうし、会社によっては労働環境や上司、勤務時間などを自由に選べない点がデメリットになりえるでしょうね。

フリーランスは自由な働き方ができるが安定度は低い

笹本さん
一方、フリーランスは正社員に比べて自由なライフワークバランスを取れます。
自分のスキルに応じて高い報酬が取れるほか、自分で好きな仕事を選べる点がメリットでしょう。
笹本さん
しかし、時には自分一人で仕事をし続けなければいけない場面もありますし、自分が仕事をしないと報酬がゼロになってしまいます…。
初芝
そうですね、フリーランスは自由度が高い反面、体調を崩した時はフォローしてくれる人がいないと困りますよね…。
笹本さん
はい、フリーランスの弱点は「一人」という点なんです。
一人だと自分が病気になったときに働けないってこともそうですが、いずれ自分が仕事をこなせる範囲にも限界が来てしまうんですよね。

フリーランスはチームを作って「経営者」になれ!

笹本さん
だからこそ、フリーランスはチームを作り「経営者」のようなスタイルを視野に入れながらキャリア形成していくのがいいと思っています。
初芝
フリーランスが経営者になるんですか…?
笹本さん
というのも、フリーランスと経営者は近しい部分が多いんですよ。
両者のスタイルは、事業を「一人で回しているか」「複数で回しているか」の違いなので。
初芝
なるほど。
ではフリーランスが他人と組んでチーム化するメリットやデメリットって何なのでしょうか?
笹本さん
まずチーム化のメリットですが、チームを組めば自分だけのキャパではできなかったような仕事も仲間に補ってもらえます。
そしてデメリットとしては、仲間とのコミュニケーションが増える点や、自分が仕事を取り続けなければチームの仕事が回らなくなるという点ですね。
初芝
ありがとうございます!
これらのメリットやデメリットを踏まえ、フリーランスはチーム化へのシフトを視野に入れておいた方がいいということですね!

フリーランスがチーム化するために取り組むべき2つのこと

初芝
とはいえ、フリーランスがいきなりチーム化して活動していくのって難しいと思うんですが、具体的にどうアクションを取っていけば良いんでしょうか?
笹本さん
フリーランスがチーム化して仕事をこなしていくための方法は大きく2つあると思っています。
まず1つ目が「人との繋がりを増やすこと」、そして2つ目が「専門家としての認知を図ること」です!
初芝
おお!
それも順番に聞かせてください!

方法①「自分の場」を作ることで横の繋がりを育む

笹本さん
1つ目は「人との繋がりを増やす」ということですが、今後フリーランスがチームを組んでいくのであれば、やはり人脈が大事だと思っています。
僕も今のお仕事は全て人からの紹介でいただきましたしね。
初芝
全て紹介だったんですね!
「人脈」と一言で言っても抽象的ですが、そういった横の繋がりを作るためにはどんなことをすればいいのでしょうか?
笹本さん
「自分で場を作る」という経験を増やすことが人脈形成に繋がります。
例えばオンライン上でコミュニティを作ったり、オフラインで交流会を開催したり。
笹本さん
例えば自分の得意分野が「広告の運用」ならば、広告運用に関する勉強会なんかを開いてみるといいですね。
参加者にとってメリットになるような会を設定することがポイントです!
初芝
なるほどいいですね!
もし自分の場を作るとしたら、オンラインかオフラインのどちらが良いとかってあります?
笹本さん
基本どちらでもいいと思いますが、最初はオフラインで場を作るのがおすすめです。
オフラインの場所なら互いに顔が見えますし、圧倒的に信頼関係を築きやすいですからね。
初芝
オフラインなら信頼構築のスピードが速そうですね!
ただ、「いきなりオフラインで始めるのは怖い」って人もいそうな気がします…。
笹本さん
オフラインが難しいと感じるならオンラインで始めてみると良いと思います。
最近はSNSが主流になってきているので、FacebookやTwitterで募集を募ってみてもいいでしょうし、仮にアイデアがなければ「どんな内容だったら参加したいか」を直接聞いてみてもいいかもしれません!

方法②「自分の説明力」を磨いてその道のプロとして認知されよう!

笹本さん
2つ目が「専門家としての認知」を図ることです。
フリーランスのチーム化が拡大していく時代において、まずは「自分自身が何者であるか」を主張するための「説明力」が重要となってきます。
初芝
なるほど!
自分の説明力がプロとしての認知を生むんですね…!
笹本さん
はい。
例えば広告運用が得意なのであれば「僕はFacebook広告の運用が得意です!」と周りに示さなければなりません。
そのためには、日頃からFacebook広告に関するノウハウを色んな媒体から発信していく必要があります。
笹本さん
もっと言うと、自分の得意領域について非専門家でもわかるように説明できることがマストですね。
発信媒体はnoteでもTwitterでもYouTubeでも何でもいいので、自分の得意をどんどんとGiveしていくことが大切です。

フリーランス同士の繋がりを深める「フリーランス部」とは?

笹本さん
以上でお伝えした2つ以外にも、フリーランス同士の繋がりや交流はチームを組成していくにおいて非常に重要となるでしょう。
笹本さん
そこで僕は、「フリーランス部」というフリーランス同士の横の繋がりを作っていくための場所を2020年10月に作りました。
初芝
フリーランス部ですか!?
それってどんなものなんでしょう?
笹本さん
フリーランス部はフリーランスの「横の繋がり」を作るべく、フリーランス仲間と互いに交流を図り、仕事を紹介し合うことを目的とした場所です。

初芝
孤立しがちなフリーランスが集まれる場所っていいですね!
笹本さん
これは僕がフリーランス部を設立した理由の一つでもありますが、今後は自分一人の専門性で生きていくのが難しい時代になると思っています。
なので一層「お互いの専門性をお互いでシェアしていくこと」が必要になってくると思うので、フリーランスが情報を共有できる場所を作りました。
笹本さん
まずはフリーランス同士で自分の持っている強みをシェアすれば、組織の中で自分の存在感をアピールしていけますし、自分の専門性をどんどんシェアしていけるので。
初芝
今後フリーランスがチーム化していくのであれば、まずはフリーランス同士というクローズドな場所で自分の存在を認知してもらうことが重要ですね。
ところで、フリーランス部はどうやって入部すれば良いのでしょうか?
笹本さん
Twitter上で「#フリーランス部」とハッシュタグを付けて情報発信していただければOKです!
フリーランス部はあえてコミュニティ化せず、不定期で集まりたい人が集まるような場所を提供しています。
初芝
そうだったんですね!
ありがとうございます!

※フリーランス部に入部したい方は、Twitterで「#フリーランス部」とタグ付けして情報発信してみてください!

まとめ:フリーランスは人と人との繋がりが何よりも大事。

初芝
では最後に、今後フリーランスがチーム化していくにあたって一言お願いします!
笹本さん
やはりリアルで人と人との繋がりを作っておくことが大事ですね。
今ってSNSを中心にオンラインでの交流が盛んですが、それでも「リアルでの繋がり」は欠かせません。
笹本さん
というのも、価値のある情報や仕事というのは「人から人へ」流れていくからなんです。
だからこそ、フリーランス同士の信頼関係が一層大事になってきますし、相手に小さなGiveを積み重ねていく必要がありますね。
初芝
笹本さん、今日は貴重なお話ありがとうございました!
今回のまとめ
・フリーランスはチーム化を前提にキャリア形成しよう
・自分の場所を作って横の繋がりを作ろう
・自分の説明力を磨いてプロとしての認知を得よう
・フリーランス同士の繋がりを深めよう
・自分の得意分野を活かして相手にGiveしていこう

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