例えばですが、こしばさんは「準委任」とか「請負」って聞いたことがありますか?
契約形態を知ることで、思いかげない「これもやらなきゃだったの?!」という不測の事態を防げたりと、自分の身を守ることになります。
また、発注者のお願いしたいことをより正確に理解できるので、「わかっている」発注者先ということで、信頼を得られます。
今日は、その説明をしていきます!
1 仕事をもらう契約形態を知ろう!
何気なくいただくお仕事の契約形態も、実は様々。
その種類を知って、何が求められているのか、何が義務なのかを把握し、「わかってる」フリーランスになりましょう!
①「業務委託」もひとつじゃない?!
フリーランスがよく見る契約書のタイトル、それは、「業務委託契約書」ではないでしょうか?
でも、このタイトルは、何かの業務をお願いします、と言っているだけで、その仕事が、成果物があるものなのか、それとも、ただ決められた作業をするものなのかの区別がわかりません。その違いが、実は仕事をする上でとても大事なのです!
②「請負」と「準委任」の違い
「業務委託」という名前でお仕事をもらう場合、その多くは、「請負契約」か、「準委任契約」という契約形態に分類されます。
一番の違いは、成果物の完成義務があるかどうかです。
「請負契約」の場合には、成果物の完成義務があるので、成果物を完成し、納品したものにバグがないことが確かめられたことで報酬を得る権利が生じます。逆にいうと、バグがある場合には、そのバグを修正する必要があります。
それに対して、「準委任契約」の場合には、成果物の完成義務はありません。発注者が求めるクオリティの仕事をすること自体で、報酬が発生します。
多くの場合には、成果物を完成して納品する方が仕事としての難易度も高いので、報酬が高くなる傾向にあります。
この違いをわかって契約しないと、労力に合わない報酬で契約してしまったりと、トラブルの原因になりますので、気をつけましょう。
③「偽装請負」にご注意を!
エンジニア不足、と言われるようになって早何年でしょうか。とても多くの企業が、エンジニアを従業員として雇いたくても雇えない現状があります。その現状をしのぐために、契約書上は「業務委託契約」でも、実質は「派遣契約」になっていることが多くあります。これが、「偽装請負」です。
フリーランスがフリーランスである大きな意味の一つ、それは、仕事をする上で、上司や会社の「指揮命令」を受けないことではないでしょうか?偽装請負は、契約書の上では、指揮命令を受ける派遣契約ではないことになっていても、実質的に、職場の従業員不足を補うために、従業員としてフリーランスを扱ってしまうことが問題なのです。
この「偽装請負」が発覚した場合、発注者には当然、社名の公開や罰金・懲役と言ったペナルティが課されます。
「偽装請負」として働いてしまったフリーランス自身に直接的なペナルティはありませんが、現実として、本来もらえるはずだった報酬がもらえないなどの不利益が生じます。また、せっかくフリーランスになった意味も、失われてしまいますよね。
実際仕事が始まって、「これはおかしい!」と思ったら、早めに弁護士などに相談することをお勧めします。
2 発注者が安心するその他のポイント
①発注者がフリーランスに仕事を頼むとき、どんなことを心配しているか?
発注者の一番の心配、それは、フリーランスに頼んだ仕事が約束通り完成してもらえるかどうかです。
それ以外にも、発注者の情報が外部に流出しないかどうかは、とても大きな心配事です。ニュースでも、連日ある「情報流出事件」は、他人事ではありません。仕事のやり方によって、どう気をつけたら良いかが変わりますので、解説します。
②常駐型で仕事をする時
発注者のオフィスで仕事をする常駐型の場合には、そのオフィスや、指定された作業環境の情報管理ルールをしっかり守りましょう!常駐先で、常駐先指定の環境で作業をする際に、情報管理の一義的責任を持つのは、場所や環境の提供者である常駐先です。そのルールに従っていれば、問題が起こることはありません。
③フリーランスの環境で仕事をする時
フリーランスが、発注者以外の場所や環境で作業をする際には、当然情報の管理責任はフリーランス自身になります。もし、使っているPCのウィルス対策が不十分だったり、PCが盗まれてしまったりして発注者の情報が漏洩してしまった場合や、当然フリーランスの責任になるということです。これは単純に信頼をなくすだけではなく、契約不履行や不法行為を理由として、損害賠償請求がされる可能性を意味します。
自分の環境で作業をする際には、仕事のクオリティはもちろん、情報の管理にも気をつけましょう!
まとめ
普段何気なく使っている「業務委託」という言葉も、成果物の完成義務があるかどうかで、「請負契約」と「準委任契約」に分かれます。
発注者の意図を汲み取り、どちらかを見極めて、フェアな契約条件を勝ち取りましょう!
また、契約形態を「わかっている」ことや、情報管理ができていることで、「信頼できる」フリーランスになりますよ!