倍率6.80倍。
これ、何の数字かわかりますか?
実は2020年2月のIT・通信業界の求人倍率なんです。
他の業界が1~2倍程度なのに比べ、抜きんでて高い数字となっています。
それくらい、エンジニア採用は難しくなっているんです。
(参考:doda「転職求人倍率レポート(データ)」)
しかし、エンジニア採用が難しくなっているにも関わらず、お金をかけずに一年間で68名の採用に成功したスーパー人事がいます。
それは「採用モンスター」の異名をとるおっしーさんです。
おっしーさんは現在プロ人事による採用支援サービスを行っていますが、前職ではSESの採用担当を務めていました。
そこでコミュニティ作りやSNS活用を行い、お金をかけずにブランディングし、採用へ繋げることに成功したのです。
この記事ではそんなおっしーさんに「小さな組織がSNSとコミュニティを活用し、お金をかけずに採用を成功させる方法」についてガッツリ聞いてきました!
人事担当がやるべきこと、SNSの使い方など、具体的なノウハウをたくさん語ってもらいました!
他ではなかなか語られない、まさに最前線の採用戦略が詰まっています。
ベンチャー企業で組織を拡大したい人やフリーランスで仲間を集めたい人、SNSでブランディングしたい人は必見です!
初芝賢(@hatushiba_ken)
東京フリーランス編集長。現在はシステム開発のPMや新規事業に携わる一方で、フリーランスライターとして出版・キャッチコピー・WEBメディア連載などを手掛けている。東京フリーランスではインタビュアーや司会進行を務めることが多い。
Tinderでナンパ採用もした!?一年間で68名を採用した驚異の採用術とは?
おっしーさんと言えば前職のSESで人事担当者として一年間で68名を採用したことで有名ですよね。
採用単価を50万円としても、3400万円分のバリューを発揮したと考えると恐ろしい…!
先日立ち上げた「採用モンスター」という社名の由来にもなっています。
しかもおっしーさんの方法って、SNSを駆使したりコミュニティを作ったりする、”お金をかけない採用”ですよね?
どうして広告や採用媒体を使わず、”お金をかけない採用”にこだわったのでしょうか?
私がそのSESの前に勤めていた会社は、2000人規模のアミューズメント企業でした。
そのときの採用方法は「とりあえず採用媒体に出して、説明会」です。
それが王道だと思っていたので、「今回も同じやり方でいけるだろう」とたかをくくっていました。
「これがベンチャーか!」と衝撃を受けました。
同時に一気に不安が押し寄せてきました。
本当に自分でできるのかな、と。
業界の構造、社長の考え、社員の想いを徹底的にリサーチしながら、平日休日問わず膨大な数の人に出会って。
本当にお金がかからないことはなんでもやりました。
“なんでも”って、例えば何をやったんですか?
これだったらお金をかけずに出会えますからね!
そうやって出会う人って恋愛が目的だから採用に繋げるの難しそうですが、上手くいくんですか?
銀座の300円バーで飲んで話しかけた女の子が、ちょうど転職活動中だったんです。
それですっかり意気投合して。
「明日来る?」「行く行く!」とそのまま採用に繋がりました(笑)
大量採用の裏側には”コミュニティ”と”SNS”!?
それ以外に何か特別なことをしていたのではと思うのですが…。
この二つはこれからの採用、特に中小企業では欠かせないものになると思います。
ぜひ詳しく教えてください!
令和の採用戦略①コミュニティ作り
お酒を飲んで話すっていうラフな交流会です。
少しでも会社の社風を見てもらえればと思って。
初めは10名くらいだった参加者も最終的には40~50名ほど集まるようになり、採用もできるようになりました。
イベントで定期的に40~50名集めるって大変ですよね。
集めるのにも何か秘訣があるのでしょうか?
でも、採用をするのに何故コミュニティを作ったのでしょうか?
コストもかかるし、他にやってるところもあまり見ないなと思いまして。
これは採用において非常に重要なことです。
「とりあえず話聞いてみたけど、今はいいかな」ってなったり。
単発の採用活動でこうした人に会うと、「今回はタイミングが合わなかったな」で縁がそこで切れてしまいます。
実際に、私はWantedlyの採用フローで出会った人を呼ぶようにしていました。
そうすると「ちょうど今転職しようと思ってたところだから、おっしーさん話聞かせてよ!」って言ってもらえたりして。
そして、そうやって定期的に会う”場”を提供してくれるのがコミュニティなんです。
面談や説明会の瞬間だけでなく、その後もお互いのタイミングが合えば誘えます。
だから応募者の方が「ここにいたい」と思えるコミュニティにするため、「人事にキャリア相談できる」とメリットをわかりやすくしたり、みんなが楽しめるような環境づくりに努めたりしてきました。
今はミスマッチでも、数年後には
コミュニティを使った採用、これからも重要になりそうです…!
令和の採用戦略②SNS
特にTwitterとYouTube、noteですね。
SNSは人間臭いところを発信できるので、自分たちの素の姿を見てもらえます。
社長や人事が顔出しして自分の意見を発信しているだけでも目立ちますしね。
私の場合、Twitterでフォロー2000人増えたころからWantedlyのスカウトで返信がきやすくなりました。
「面白い奴に会いに行く」という感覚で会ってもらえて。「会いたがられる人事」になれたのかなって思います。
その頃には自然応募も増えましたね。
でも、SNSでフォロワーを増やすってそう簡単じゃないのかなと思うのですが。
企業さんも「Twitter始めたけどフォロワーが伸びない!」とインフルエンサーにコンサルを依頼するケースも増えていますし。
フォロワーを伸ばすために工夫したことはありますか?
徹底した応募者目線に立つことが何より重要です。
「案件によって当たりはずれの激しい”案件ガチャ”」「潰されることもある」
という不安を抱えている人がたくさんいます。
彼らがまさに気になっていることについて、私たちの考えを説明したんです。
応募者の目線に立ち、彼らにとって価値のある情報をきちんと発信すれば自然とフォロワーも伸びてきます。
でも、価値のある情報を届け続けるのも大変ですよね。
たまには「カレーおいしかった!」とか呟きたくなったりしません…?
表現を少し工夫するだけでも自分のキャラを出せますよ!
「この会社にはこれだけ熱量ある人事がいるのかー」って。
なので初めのうちは無駄な呟きをしないことが大切ですね!
(こういう雑なツイートを減らそう、って話ですね…)
「資本も知名度もない組織が人を集めるには何をすればいいですか?」
それこそ起業したてのベンチャーや、仲間を集めて事業を起こしたいフリーランスとか。
Twitter・YouTube・note、技術のある会社ならブログとか。
実は手間さえかければタダでできることっていくらでもあります。
良いことも悪いこともちゃんと話します。
求人票には良いことしか書いていないですが、SNSではちゃんと悪いところも見せます。
会社についても個人についても”素”を出していくと、エンゲージメントの高い人が集まるんですよ。
これができていたら会社の理念に共感してくれる人が来てくれますので。
それに、「うちの会社はこんなことを考えているんだ」と在籍している社員にもメッセージが伝わりますからね。
たしかにウォッチャーだけ増やしても仕方ないし、ちゃんと自分たちに興味を持ってくれる人が集まるように発信すべきというのは本質的な気がします…!
お化粧しすぎると「あれ、思ってたのと違った」とギャップが生まれやすくなってしまいます。
採用のミスマッチをなくすためにも、ありのままを出すことが大切です。
プロの人事が採用顧問に!?採用モンスターズとは
(社名は採用モンスター、サービス名は採用モンスターズです)
私が代表を務める採用モンスターズはプロ人事や広報を顧問的に紹介するサービスです。
現在約200人在籍しています。
例えばスカウトメールの文面作成やWantedlyの効果的な使い方なども教えます。
最終的にはノウハウを獲得して頂き、自社で回せるようになるまでサポートするのが私たちの仕事です。
評価制度の策定とかピンポイントだったら三ヵ月くらいのこともありますが、採用全体で支援するとそれくらいかかります。
「定期的に人が集まって採用できるようになりました」「認知度が上がりました」とよく言ってもらえるのですが、そうやってお礼を頂ける瞬間が一番嬉しいです(笑)
採用ってトレンドが変わりやすいので、最新の状況を掴んでおくことが大事です。
メンバーの方にはどんどん最新の知見を提供し、育てていきたいと思っています!
採用モンスターはどういった方におすすめのサービスなんでしょうか?
ベンチャーだと社長や営業が人事を兼任していることが多いのですが、結構みなさん採用に悩まれているんですね。
「採用がなかなかうまくいかない…」って。
「面接って楽しくお話すればいいんでしょ?」みたいに。
見よう見まねでできてしまうから、専門職であるって認識がないんです。
そうやって失敗するのは非常にもったいないです。
企業ブランディングをするのも、人を連れてくるのも、面談をするのにも技術が必要です。
ちゃんとした方法でやれば成果は出ます。
だからこそ、企業の魅力を引き出して採用を支援するお手伝いをさせて頂いています!
たしかに人とのやり取りって答えがないですし、専門性の高い仕事ですね…!
おわりに:採用は楽しちゃダメ!
紹介会社や媒体に掲載するのは楽ですし、簡単に人を呼べます。
でも、手間をかければかけるほどうまくいくのが採用です。
最近では人材への需要は高く、優秀な人ほど採用市場に現れない傾向があります。
だからこそ、コミュニティで繋がりを作ったり、常に発信をしていくことが大切です。
また、「副業で人事をやりたい!」という人も募集しています!
応募フォームはこの下に貼っておきますね!
採用のカギを握るのはコミュニティとSNS。
情報発信では良いところも悪いところも見せていき、エンゲージメントの高い人を集める。
まさにこれからの採用戦略のお手本のようなお話でした。
採用にお困りの方はぜひおっしーさんに相談してみてください!
とっても気さくで話しやすい方です!
鴛海敬子(おしうみけいこ:通称おっしー) (@recruit_monster)
株式会社採用モンスター 代表取締役社長
前職株式会社MapleSystems CHROとして 1年間で約70名のエンジニア採用を実現。
退職後、採用コンサルタントとして IT業界からエステ業界まで幅広く手がけ、スキルシェアした自身の経験を元に、2019年8月より組織や採用に課題を感じている企業とHRのプロがマッチングするサービス”採用モンスターズ”をスタート。
2019年10月株式会社採用モンスターを創業。代表取締役に就く。