- Web制作
- 2025.01.20
Webデザインを始めたばかりの方がつまずきやすいのが、専門用語の理解です。
学習を進めていく中で知らない用語が出てきて、手が止まってしまった経験のある方は多いことでしょう。
この記事では、初心者Webデザイナーが知っておくべき15のデザイン用語について詳しく解説します。
現場でもよく使われる専門用語を厳選していますので、ぜひ最後までご覧ください!
デザインの専門用語を覚えるべき理由
デザインにおいてスキルの習得やツールの使い方を学ぶことはもちろん重要ですが、デザインの専門用語を覚えることも同じように大切です。
たとえば、他のデザイナーやクライアント、ディレクターとの打ち合わせでは、「このデザインはグリッドを意識して統一感を持たせましょう」「このホワイトスペースを生かして配置しましょう」「インフォメーションアーキテクチャをしっかり整えましょう」といったフレーズが頻繁に使われます。
このようなデザインの専門用語を理解していないと、意思疎通がうまくいかず、デザインの意図や要件が曖昧なまま進行してしまうリスクがあります。
つまり、専門用語を知っていることで、共通の言葉で明確なコミュニケーションができ、効率的にデザインの意図を伝えられるようになるのです。
また、専門用語を学ぶことによってデザインそのものへの理解も深まり、「なぜこのデザインが良いのか」「どこを改善すべきか」といった論理的な思考が可能になります。
思考力を身につけると、デザインの提案や説明を行う際に「理由を持ったデザイン」を提示でき、説得力が増す効果があります。
レイアウトに関連したデザインの専門用語
デザインの土台となる、レイアウト関連の専門用語を3つ解説します。
- グリッド
- ホワイトスペース
- ヒエラルキー
1. グリッド
グリッドとは、デザインのレイアウトを均等にするための目に見えないガイドラインのことです。
グリッドを用いると、文字や画像、ボタンなどの位置を整えられるため、視覚的にバランスの良いデザインになります。
Webデザインでも紙媒体でも自然にグリッドを意識した要素配置になっていることが多くあります。
身近なデザインでどのように使われているかチェックしてみてください。
2. ホワイトスペース
ホワイトスペースは余白のことで、デザイン内に意図的に設けられる空白部分を指します。
テキストや画像、ボタンなどの要素を適度に離すことで、視覚的に整理され、情報が詰め込みすぎることなく見やすいレイアウトになります。
また、ホワイトスペースは目立たせたい部分があるときにも効果的です。
重要な情報の周りに余白を設けると空白部分に視線が集中するため、強調したい要素を際立たせられます。
3. ヒエラルキー
ヒエラルキーは、情報の重要度に応じてデザイン要素に階層をつける方法で、視線誘導のテクニックでもあります。
たとえば、タイトルを大きくし、サブタイトルや本文を小さくすることで、ユーザーが自然に重要な情報から順に読み進められるようになります。
ヒエラルキーは、文字サイズだけでなく、色や配置、画像、アイコンを使って表現することも可能です。
たとえば、ボタンの色を他の要素よりも強調したり、重要な内容には目立つアイコンを使ったりすることで、ユーザーにとって重要な情報がすぐにわかるデザインになります。
色に関するデザインの専門用語
次は、色に関するデザインの専門用語を3つ解説します。
- カラーホイール
- 補色
- モノクロ
色の選び方や配色はデザインの印象に大きく関係するため、しっかりと理解しましょう。
4. カラーホイール
カラーホイールは、色の関係性を理解するために使用されるツールです。
円形に並んでおり、反対色や隣接する色を視覚的にわかりやすく示されています。
コントラストをつけたい場合は反対色を使用し、まとまりのある印象を持たせたい場合には類似色を使うといったように、色選びには欠かせないものです。
5. 補色
補色とは、カラーホイール上で向かい合う位置にある色のことです。たとえば、赤と緑、青とオレンジなどが補色関係にあたります。
補色同士は見た目に強いコントラストを生むため、視覚的に目立たせたい要素に使われることが多くあります。
ただし、補色を多用しすぎるとデザインがごちゃごちゃとした印象になることから、強調したい部分にアクセントとして使用するのが理想的です。
視覚的な疲労を防ぐためにも、適度に取り入れてインパクトを与えましょう。
6. モノクロ
モノクロは、1色のみを使ったデザインのことを指し、統一感があり洗練された印象を与えます。
同様の概念に黒から白までのグラデーションを用いる「グレースケール」があり、モノクロと比べると、より柔らかい印象を与えます。
表現したい雰囲気や印象に合わせて、モノクロとグレースケールをうまく使い分けましょう。
タイポグラフィに関するデザインの専門用語
タイポグラフィに関連したデザインの専門用語を3つ解説します。
- セリフ体とサンセリフ体
- カーニング
- トラッキング
7. セリフ体とサンセリフ体
フォントには大きく分けて「セリフ体」と「サンセリフ体」があります。
セリフ体は文字の端に装飾(セリフ)がついており、クラシックで伝統的な印象を与えるフォントです。
これに対し、サンセリフ体には装飾がなく、モダンでシンプルな印象を与えます。
たとえば、ビジネス向けのデザインやフォーマルな印象が求められる場面にはセリフ体が適しており、逆に現代的で清潔感のある印象を出したい場合にはサンセリフ体がよく用いられます。
どちらを選ぶかによってデザインの全体の雰囲気が変わるため、ターゲットユーザーやデザインの目的に合わせて使い分けることが大切です。
8. カーニング
カーニングは隣り合う文字の間隔を調整するテクニックで、「文字詰め」とも呼ばれます。
文字間が狭すぎたり広すぎたりすると、読みづらくなり全体のバランスが崩れてしまうため、適切なスペースを取ることが重要です。
特にバナーやロゴのデザインでは、カーニングで文字を見やすく整えていることが重要です。
文字同士のバランスを整えることでデザインが美しくなり、視覚的な統一感が向上します。
9. トラッキング
トラッキングは、文章全体の文字間隔を調整する手法です。
カーニングが一つ一つの文字間隔を対象とするのに対し、トラッキングは文章全体の間隔を一括で広げたり狭めたりします。
特に、見出しやロゴのデザインにおいては、トラッキングによって文字同士の間隔を整えることで、全体のバランスが良くなります。
適切なトラッキングはデザインの一貫性やユーザーにとって読みやすい文章や見出しにつながるため、カーニングとともに覚えておきたいテクニックです。
Webデザイン特有の専門用語
最後にWebデザイン全体に関連する専門用語を5つ解説します。
- レスポンシブデザイン
- ビジュアルアイデンティティ(VI)
- モジュールデザイン
- インフォメーションアーキテクチャ(IA)
- コール トゥ アクション(CTA)
一般的には聞き馴染みのない言葉ですが、Webデザインには欠かせないものです。
しっかりと理解しておきましょう!
10. レスポンシブデザイン
レスポンシブデザインとは、デバイスの画面サイズに応じてレイアウトを最適化する手法です。
レスポンシブデザインができているものは、PC、スマートフォン、タブレットといった異なるデバイスで見た際に、それぞれの画面サイズに合わせて要素が自動で調整されます。
レスポンシブデザインができるようになると、さまざまなプロジェクトで対応できるようになるため、Webデザイナーの必須スキルとして押さえておきましょう。
11. ビジュアルアイデンティティ(VI)
ビジュアルアイデンティティ(Visual Identity)とは、ブランドや企業の視覚的なイメージを統一することで、ブランディングを強化する手法です。
コカ・コーラの赤色や、Appleのシンプルなデザインなどがその一例です。
ロゴ、色、フォントなどが一貫していることで、ユーザーがブランドをすぐに認識でき、信頼感も高まります。
12. モジュールデザイン
モジュールデザインは、各要素をモジュール(部品)として分け、再利用できる形でデザインを構成する手法です。
特にボタンやヘッダー、フォームなどをモジュール化することで、デザイン全体に統一感が生まれ、効率的な作業が可能になります。
モジュール化しないと、一貫性のなさから「違うページに遷移したのではないか」とユーザーが不信感を抱いてしまう要因になってしまいます。
統一感を持たせ、ブランドやサイトの一貫性を守るためにも、モジュールデザインは欠かせない考え方です。
13. インフォメーションアーキテクチャ(IA)
インフォメーションアーキテクチャ(Information Architecture)は、情報をどのように整理し構造化するかを考える情報設計の手法です。
特に、ユーザーがWebサイト内で迷わずに必要な情報へとたどり着けるように、情報の配置や階層を整え、スムーズな動線を作る役割を担います。
たとえば、ランディングページ(LP)では、「サービスの説明 → メリットやデメリット → ユーザーの声 → お申込みボタン」といった流れにすると、ユーザーの興味を順に引き出しながら最後のアクション(申し込み)を促します。
IAは、ユーザーがページ内でどこに何があるかを一目で理解できることを目指しており、特に情報が多いWebサイトでは必須です。
14. コール トゥ アクション(CTA)
コール トゥ アクション(Call To Actiion)はユーザーに特定の行動を促すための要素で、頭文字を取ってCTAとも呼ばれます。
「資料請求」「今すぐお申込み」「無料体験を試してみる」といったボタンやリンクが代表的で、CTAの配置やデザインは、サイトの目的達成に直結する重要なポイントです。
CTAが適切に配置されていると、ユーザーが迷わず次の行動を起こしやすくなり、サイトのコンバージョン率(成約率)が向上します。
Webデザインにおいて、CTAは「ユーザーの行動を導く役割」を持つため、配置やデザインには十分に気を配る必要があります。
15. グルーピング
グルーピングは、関連する要素をまとめることで情報を整理するテクニックです。
要素がバラバラに配置されているとユーザーはどこを見ていいかわからなくなり、操作がしづらくなりますが、関連する要素同士を近くに配置することで自然な視線の流れが生まれ、情報の理解がしやすくなります。
たとえば、フォーム画面で「氏名」「メールアドレス」「住所」といった入力項目を適切にグループ化することで、ユーザーはどこに何を入力すべきかを一目で把握できるようになります。
情報がまとまり、ユーザーにとって使いやすいデザインが実現できるため、Webデザインにおけるユーザビリティ向上には欠かせないテクニックです。
まとめ:専門用語を押さえてデザインへの理解を深めよう!
この記事では、15のデザイン専門用語について解説しました。
今回ご紹介したデザイン用語を押さえることで、デザインに対する理解が深まり、他のデザイナーやクライアントとの円滑なコミュニケーションにつながります。
Webデザインの現場では、専門用語が飛び交う場面が多いため、しっかりと覚えて実務で活用してみてください。
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ももさん(@momo_web24)
デザイン会社社長。WebアプリのUI/UX設計からHP、ロゴ作成まで幅広くWeb制作に携わっている。デイトラWebデザインコースのメンター。