30代未経験からのプログラマー転職は難しい?そのリアルと転職方法を元エンジニアが教えます

こんにちは、プログラマーのとだこうき(@cohki0305)です。

最近、20代が未経験からプログラミングを学んでプログラマーへと転職する事例が増えましたが、30代からプログラマーへ転職したいと考えている人も多いんじゃないでしょうか。

でも本当のことを言うと、”完全未経験から”プログラマーに転職するなら、ぶっちゃけ20代より30代の方が難しいし、相当な覚悟が必要だと思っています。

絶対無理ってことはないですが、真っ当な努力をしなきゃダメですし、本当に30代でもプログラマーになれるのか、プログラマーが自分に適しているのかよく考えなきゃいけません。

そこでこの記事では、他じゃ誰も教えてくれない「30代未経験からのプログラマー転職に関するリアル」をお伝えしていこうと思います。

本記事の内容
・ なぜ30代未経験からプログラマーへ転職するのが難しいのか
・どんな人なら30代未経験でも転職できるのか
・30代の未経験者がプログラマーへ転職する方法

僕は過去にプログラミングスクールの口コミサイトを運営したり、ブロガーとして10社以上のスクールを取材したりした経験があります。なので、プログラマーへの転職事情は普通の人よりも結構知っている方です。

これから30代でプログラマーへ転職したいと考えている方は、参考にしてみてください。

とだ
【著者のプロフィール】
とだこうき@cohki0305
東京フリーランスCTO。
営業から転職し、6ヶ月でリードエンジニアになったフルスタックエンジニア。その後半年でフリーランスとして独立し、ブロックチェーン・機械学習の案件に携わる。
デイトラアプリの開発、Ruby/Railsコースの作成を行っている。

なぜ30代未経験からだとプログラマーへ転職するのが難しいの?

なぜ30代未経験からのプログラマー転職が難しいのかというと、まず考えられる理由がこの3つです。

  1. そもそもプログラマの求人は20代が中心
  2. 人材としての優秀さが担保できてない人が多い
  3. 年上の部下には気を遣ってしまう

1.そもそもプログラマーの求人は20代が中心

プログラマーの求人は比較的20代が中心的となっています。

dodaが2020年6月に発行したITエンジニアに関するマーケットレポートによると、2020年3月〜5月に同サービスへと登録したプログラマー志望の求人は、全体のおよそ60%以上が20代であるという結果が出ていました。

出典:doda

僕もプログラマーの採用を担当していた経験があるので分かりますが、20代の採用は多少経験が足りなくてもポテンシャルを重視するんですよね。しかし30代となれば、経験者ならまだしも「未経験」だとポテンシャルで採用するのは結構厳しくなっちゃいます…。

それを裏付けるように、最近は「転職保証」が付くプログラミングスクールにおける転職保証の条件が「受講開始時点で30歳以下の方」「20代限定」とされる場合が増えてるんですよ。

例えば、テックアカデミーの転職保証制度の条件には、こう記されています。

ギリギリ32歳までなら行けるけど、それ以降は対象となっていません。

このように、スクールによっては「受講生ならばどんな人でも転職を保証する」といったスタンスを取らないところもあり、30代になるとスクール側も転職を保証できなくなる傾向にあるのです。

よってプログラミングスクールで勉強してプログラマー転職を目指すとすれば、どうしても20代より30代の方が転職のハードルが上がってしまいます。

2.人材としての優秀さが担保できてない

2つ目ですが、30代になってこれまでに何もキャリアが残せていないって人も、未経験からのプログラマー転職は中々難しいと思います。

なぜなら、20代よりも30代の方が「ポテンシャル」よりも「実績」の方が重視されますし、年を重ねるほど「しっかりとした理由」を求められるからです。

20代なら「プログラミングに興味がある」ってだけで採用してもらえるケースもあるけど、30代だとそうはいきません。一人材としての優秀さが担保できていないと、当然ポテンシャルのある20代を優先的に採用しちゃうよねって話なので。

3.年下の部下には気を遣ってしまう

あと、これはプログラマーに限った話ではありませんが、現場に年上の部下がいると、20代の上司はどうしても気を遣っちゃうんですよ。文化の違いもあるし。年下から厳しいことって言いにくいじゃないですか。

なので実力が同じなら、ポテンシャル考えると30代より20代を取りたいっていうのが本音です。

30代未経験でもプログラマーとして採用されるのはどんな人なのか

とはいえ、未経験の30代でも転職に成功する人ももちろんいて、「30代だからプログラマー転職できない」というわけではありません。

じゃあどんな人が未経験からプログラマー転職を成功させるのかというと、「別の仕事で成功してる人」「伸びしろがある人」の2パターンだと思っています。

  1. 別の仕事で既に成功してる人
  2. 将来の伸びしろがある人

1.別の仕事で成功している人

別の仕事で成功してる人や結果を出している人は、たとえ未経験であってもプログラマーに転職できる可能性が十分あります。

既に他の仕事で結果出している人なら、

他の仕事で活躍した経験があるんだったら、ウチにプログラマーとして就職してもある程度活躍できるかもな…

というように、未経験からプログラマーになってもむしろ高評価がもらえます。特にコミュニケーション能力が高いような人であれば、ポジティブに評価されることが多いですね。

実際にdodaの年齢別転職成功者の調査結果を見ると、転職成功者の平均年齢は「31.7歳」だとされてますし、技術系(IT・通信)における転職成功者の年齢割合は、30代が全体の36%だという結果も出ています。

出典:doda

なので「30代」という年齢に問題があるわけではなく、言ってしまえば、それまでに何もキャリアが残せていないことに問題があるんですよね。

2.熱意があって伸びしろがある人

あと、「熱意があって将来の伸びしろがあるか」ってところもかなり注視されています。どうやってその熱意や伸びしろを判断されてるのかというと、「どれくらい勉強しているか」です。

熱意はやる気でもポエムでもない

そもそも熱意というのはやる気ではなく、ポエムでもありません。

一生懸命頑張るので、よろしくお願いします!

こんなことって、ぶっちゃけ誰でも言えるんですよ。新卒採用と違って、30代は数字で示さなければ相手を納得させられませんからね。

例えば、僕が未経験からプログラマーに転職したときは、仕事の行き帰りもずっと勉強してたし、毎週勉強会に参加したり、独自のアプリケーションを作ったりもしていました。

そのように、「どれくらい勉強しているのか」「どれくらい勉強会に参加しているのか」といったアウトプットが重要となります。

そもそも勉強熱心じゃないとプログラマーは続かない

この仕事って、普通の人からみたら凄くしんどいと思うんですよ。一日8時間ずっと頭使うから結構キツいんですが、僕はそれを苦に思ったことはありませんし、休みの日も自分から進んで勉強していました。

なぜなら、ただ楽しいから。そういう文化もある世界なので、採用側も仕事を楽しんでやれるような人を取っていきたいんですよ。そもそも新しい技術がどんどん出てくる業界なので、勉強熱心な人じゃないと成立しません。

最近は「儲かるからプログラマーになりたい」と考える人が増えましたが、それを嫌うプログラマーは非常に多いです。

お金は大事だし、稼ぐことを目的とするのは悪くないけど、その考えが「僕たちのエンジニア文化には合わないな」とジャッジされちゃうこともあります。

「学歴」も伸びしろを測るうえで重要なファクターとなる

プログラマーになるのに学歴や職歴って重要なの…?

これもよく聞かれるんですが、その人の伸びしろを測るうえで、学歴や職歴は絶対見られています。

だって、単純に高学歴ってだけで、厳しい受験を勝ち抜いてきた痕跡がわかるわけじゃないですか。だから学歴が高いだけで「この人はしっかりと勉強を頑張ってきたんだな」と判断できるんですよ。

なので、ポテンシャルを測る際に学歴は絶対見られてるってことは現実として受け止めた方がいいですね。

30代の未経験者がプログラマーへと転職する2つの方法

そしてこれから30代未経験でプログラマー転職を目指す場合、その方法は「プログラミングスクールから転職先を紹介してもらう」「独学で勉強して自分で転職先を探す」の2つとなるでしょう。

  1. プログラミングスクールから転職先を紹介してもらう
  2. 独学で勉強しながら自分で転職先を探す

1.プログラミングスクールから転職先を紹介してもらう

1つ目が、プログラミングスクールから転職先を紹介してもらう方法です。プログラミングスクールから転職先を紹介してもらうメリットは、職先の基準がある程度一定に保たれているところでしょう。

なぜなら、生徒が良い転職先へ進めばスクール側のサービスの評判が上がるから。中にはスクールの生徒にアンケートを取って満足度を測っているスクールもあるので、ほとんどのスクールは生徒が良い企業へ転職してほしいと思っているはずです。

特に転職保証のあるスクールだと、キャリアアドバイザーがマンツーマンで付いてくれることもあるので、利用する価値はかなり大きいでしょう。

転職先は「SES」が多いことを知っておいた方がいい

ただ、スクールからの転職だと、転職先は「SES」が多くなる傾向にあります。

基本的にプログラマー転職をする際は、「受託開発・自社開発・SES」に大きく分けられます。

受託開発とは?
クライアントから受注したシステムやソフトウェアの開発をすること。

自社開発とは?
自社でサービスを開発すること。

SESとは?
クライアントにエンジニアを派遣するサービスを行う契約形態のこと。

中でも、未経験者の転職先として圧倒的に多いのがSESです。SESは「客先常駐」として現場のスタッフと一緒に働くこととなりますが、現場によっては雰囲気が悪かったり、質の低い仕事ばかりをやらされたりする場合もあります。

しかし、それぞれのSES企業によって質や評判は異なります。その点、スクールによっては紹介先のSES企業に関する情報をちゃんと持っていたりするので、自分が転職する先の詳細を事前にある程度知れるのは強いですね。

転職保証には過度に期待しない方がいい

なお、転職保証付きのスクールにおける「転職保証」には過度に期待はしない方が良いでしょう。

そもそも転職保証サービスは「転職」が前提になっているので、今の仕事を辞めさせられる場合もあります。そこは十分注意しなければなりません。

元々良い会社に勤めてたのに、微妙な会社に転職してしまった…。

転職保証付きのスクールに通っていた人の中には、こういう事例もあります。過度な期待をしてキャリアを落として後悔しないようにしなければなりません。

あと、内定保障の要件が厳しいところもあり、中には面接回数や勉強回数、キャリアアドバイザーとの面談回数などが厳しく決まっていたりするスクールもあります。その辺りは事前にチェックしておきましょう。

転職保証は一社内定を取ると終わる

そして、内定が一社さえとれば保証が終わるというのがほとんどです。仮に、全く行きたくもなかったようなところからの内定が決まっても、転職保証がそれで終わっちゃうんですよ。

めちゃくちゃ努力したのに、全然行きたくないところから内定が出て終わることもあります。「転職さえすれば人生バラ色」と思って貯金切り崩した結果、望んでない会社から内定が出て終わる、なんて恐れもありますからね。

ここは利用規約を見れば詳しく書いてあるので、しっかりと読んでおくことをおすすめします。

プログラミングスクールに通うことはただのスタートラインに過ぎない

とはいえ、プログラミングスクールに行くこと自体は否定していません。定められた期間できっちり勉強したことが自信になるし、自分を変える意識も持てるようになりますが、ただスクールで習っただけじゃ正直厳しいです。

なぜなら、プログラミングスクールはただのスタートラインだからです。「スクールのアシストがあったからできたんでしょ」ってなるし、スクールを出ただけじゃプログラミングに対する「熱意」が証明できないんですよ。

本来プログラミングって、自分の頭で考えて生み出すものなのに、それができてないじゃないですか。スクールに言われた通りのコードをただ書いてるだけだと相手に熱意は伝わりません。

なので「プログラミングスクールに通ってました」と伝えても、採用側は判断のしようがないんですよ。だからスクールを卒業した直後の人はほとんど選考て落ちてしまうし、スクール以外で頑張ったことがない状態だと難しいですね。

2.独学で勉強しながら自分で転職先を探す

2つ目が、独学で勉強しながら自分で転職先を探す方法です。そもそもプログラマーになるなら、プログラミングスクールに通っていようとなかろうと、絶対に独学で勉強する期間は絶対にあった方がいいです。

現場では自分で解決しないといけないことがたくさんある

なぜ独学が必要なのかというと、独学期間がないと自分にプログラマーとしての適性があるかわからなくなるし、プログラマーは自分で解決しなければいけない場面が多くあるからなんですよね。

現場で働いてると、誰にも相談できない問題が結構突然起こります。職場の人に聞いてもわからない部分は絶対に自分で解決しなきゃいけません。

だからこそ、”あえて誰にも聞けない環境を作ること”も大事なんですよ。どこにも答えが書いていないことを自分で調べて問題解決できる能力こそがプログラマーの価値です。

「プログラミングスクールに通ったこと」も評価の対象にはなりますが、そこから「どれくらい自分で勉強したのか」が更なる評価へと繋がります。なので、やはり「スクールの課題をこなして即転職」とはいきません。多少の独学期間は絶対あった方がいいですね。

どうやって独学すればいいの?

とにかく自分のオリジナル作品を作ってどんどんアウトプットすることが重要です。悪いのは、既に世の中に出ている作品を焼き直しすること。

同じことばっかやっててもだめで、評価を受けるためには「世界に一つだけ」のオリジナルなコードを書かなければなりません。

なぜなら、「教材丸写しじゃなくて自分の頭で考えて作ったんだな」というのがわかるからです。仮に同じものをどれだけ作ったとしても、見る側は「それスクールの課題と同じじゃない?」ってなりますからね。

とにかく自分で試行錯誤しながらコードを書くことが大事

最初は下手でもいいので、手探りで試行錯誤しながらオリジナルのものを作ってみるといいですね。「辛い作業をやり切ったんだろうな」という背景が採用側の頭にも浮かんでくるし、とにかく自分でやり切った痕跡が見れるので。

あと、辛いながらも自分の作品を作った経験があった方が、コミュニケーションも取りやすいんですよ。逆にコピペのコードを見ても、採用側は逆に不安になりますからね。

なので、自分の作ったものをGitHubにアップしておくといいですよ。いつ作業にコミットしたのかもわかるし、作業工程も把握してもらえますからね。

自分で転職先の企業を探すメリット

自分で転職先の企業を探す場合、スクールからの紹介と比べると選択肢がめちゃくちゃ広がるうえに、斡旋料もかかりません。

特に創業間もないベンチャー企業なんかだと、ほとんどスクールからの斡旋を受けていないので、未経験の人を直接採用したりもしています。そういう会社はWantedlyで募集していることがあるので、自分で応募して見ると良いでしょう。

ただ、自分で転職先を探す場合、会社を良し悪しを自分自身で判断しなくちゃいけないから、そこは難しいところですね。

30代が未経験からプログラマーへ転職するなら収入が下がることを覚悟するべき

プログラミングスキルで給与が評価される

あと、30代が未経験からプログラマーになるなら、年収がガクっと下がる可能性もあることを覚悟しておいた方がいいでしょう。

なぜなら前職の給料に関係なく、プログラミングのスキルで給与の評価がされるからです。

例えば、未経験からだと年収300万円スタートが普通で、200万円台もめずらしくありません。なので、ほぼ最初の収入は落ちちゃうんですよね。

場合によっては家計をかなり苦しめることにもなりかねない。

これが20代ならともかく、30代だと結構苦しくなるんじゃないでしょうか。例えば30代で年収500万円だった人が、転職して年収200万円台に下がったとなれば、相当厳しくなるはず。

最悪の場合、持ち家や車の売却を考えたり、普段の食生活を一変させたりしなきゃいけない可能性もありますからね。特に結婚している人の場合は、家族の生活もあるし、自分だけの問題にとどまりません。

実際、「収入面で家族を支えられない」という理由で、プログラミングの勉強を辞めて転職を諦めた人の話もよく聞きます。この辺りのリアルはよく認識しておいた方がいいですね。

まとめ:30代未経験からのプログラマー転職は慎重に考えるべき

というわけで、これから30代でプログラマーを目指すのであれば、金銭面や自分の適性などをしっかりと考慮して慎重に考えた方がいいです。

特に自分にプログラマーとしての素養があるかはとても大事ですね。例えば毎日8時間仕事をしたうえで、土日も勉強に苦もなく時間を使えるかどうかとか。

これはある人にとってはとても残酷ですが、逆に素養がある人にとっては希望を持てると思います。学歴や職歴をすっ飛ばしてスキルでフェアに勝負できるので。

とはいえ、30代未経験でも優秀でスキルがあれば関係ありません。自分の年齢に自分でフィルターをかけることなく、挑戦できることを見つけて取り組んでみてください。

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