法律相談vol.1「契約トラブルを避けるための四つのポイントとは?」

法律相談vol.1「契約トラブルを避けるための四つのポイントとは?」
こしば
ちひろ先生!やりました!初受注です!
ちひろ先生
おめでとうございます!これでフリーランスの第一歩を踏み出しましたね!
こしば
そうなんです!フリーランスの先輩が仕事を振ってくれたんです!
ちひろ先生
ちなみにどんなお仕事ですか?
こしば
WEB制作の一部で、もともと先輩が受けていたものの一部を手伝わせてもらうんです!詳しい話はわかりませんが、来週から先輩と発注元の会社に常駐します!
ちひろ先生
ちひろ先生
それって、先輩と契約するんですか?
こしば
うーん、そのへんちょっとわからないです…。「とりあえず来週から来てね!」って言われてるだけで、その辺曖昧です。
ちひろ先生
ちょっと待って!その契約、もしかしたら危ないかもしれません!
こしば
え、なんでですか!?
ちひろ先生
契約の時に決めておくべき大事なことが曖昧になっているからです。このままでは、仕事をしたのに報酬が払われなかったり、いつまでも終わらない仕事をすることになってしまうリスクがあります。
こしば
えー!そんなのやだ!
ちひろ先生、どうすればいいですか!?
ちひろ先生
安心して!
これから、フリーランスが契約トラブルを避けるために大事な四つのチェックポイントを解説するわね!
こしば
わーい!お願いします!

お仕事をもらう時って、どんな条件を決めておくべき?

「受注」って、いい響きですよね。
一個人として仕事を任され、なんだかフリーランスとして認められた気になります。
でも、喜んでばかりはいられません。
仕事の範囲を決めておかないと、後から後から「これもこれも」と言われてしまいます。
支払い条件をちゃんと決めておかないと、納品してもいつまでも報酬が振り込まれなかったりするリスクがあります。
この記事では、あとから「こんなはずじゃなかった!」とならないための、四つのポイントを解説します。
あまり難しくは構えないでくださいね。英語の勉強の時に習った、「5W1H」を思い出してもらえばOKです!

①契約する当事者が誰か?

発注元と受注先をはっきりさせましょう。今回のこしばさんであれば、発注元は、
①フリーランスの先輩
②先輩に発注した元の会社
の2つがあり得ます。
どちらが契約の相手方かがはっきりしないと、仕事をしても、どこから報酬がもらえるかわからない状態になります。

ちひろ先生
からの仕事なのかを確認しましょう!

②仕事の内容は何か?

どんな仕事を、いつまでに、どのような形で納品すれば良いのか、それとも納品物がないのかを決める必要があります。
これが決まっていないと、自分としては仕事を完了させ、納品したと思っても、「これもやってもらう約束です」と言われたときに、断ることができません。
エンドレスの仕事地獄を避けるためには、完了基準を明確に確認しておく必要があります。

ちひろ先生
リテイクの回数を決めておくのも大切です!

③報酬・支払い条件はどうなっているか?

仕事の内容が決まっていたとしても、安心するのはまだ早いです。
報酬基準と支払い条件を決めなければなりません。
これが決まっていないと、いざ仕事を終えても、思ったタイミングで報酬の振込がなかったり、報酬の振込をもらったときに、「あれ?思っていたより少ない」ということになりかねません。
また、仮に途中で仕事がキャンセルになった場合、その時点でどれだけ報酬がもらえるのか・もしくはもらえないのかが決まっていない場合、トラブルの原因になります。
受注の際には、絶対に、報酬基準と支払い条件を確定させましょう。

ちひろ先生
「あ、やっぱりそれいらなくなった。お金も払わないね」なんて言われないように!

④納品物の権利はどうなっているか?

今回の事例では問題にならない可能性もありますが、例えばライターとして記事を書く際には、納品物である記事には著作権という権利が生じます。
本来、自分が書いた記事は、自分に著作権があります。好きなように他のところでも使えるはずです。しかし、契約でこの権利を発注元に譲渡した場合には、自分で書いた記事だとしてもそれができなくなります。むしろ、勝手に記事を使ったとして、発注元からクレームが来ることにもなります。
このように、納品物に生じる権利をどう処理するのかをしっかり決めておくことで、仕事が完了した後のトラブルも防げます。

ちひろ先生
権利譲渡はしっかり行ってもらいましょう!

以上が、受注する際にチェックしておくべきポイントです。
実際には、それぞれのポイントももっと説明することがありますし、この他にも注意すべきポイントはあります。
ですが、まずはこの基本を押さえてくださいね!

契約書って、いらないの?

上で説明した内容は、契約書という形で取り交わすのが一番安心です。
でも、フリーランスの仕事ではいちいち契約書を交わさないケースも珍しくありません。
慣例的に発注書・受注書で済ませたり、メールのみの時もあります。
ここでは、契約書がないときのリスク・対処法を説明しますね!

受注の証拠がないと困ること

もしかしたら、これを読んでいる方の中には「口約束で受注した」という経験のある方がいるかもしれません。
でも、いわゆる「口約束」では、成果物を納品しても、「そんなの知らないよ」と言われたら、仕事を受注した証拠がないので、何も請求できなくなってしまいます。
せっかくの仕事が、タダ働きになってしまっては、フリーランスとして仕事を続けることができなくなってしまいます。

ちひろ先生
口約束はタダ働きのもと!

証拠を残そう!

契約の際に気をつけるべきなのは、どんな形でもいいから証拠を残すことです。
それはメールでも構いません。
口頭で依頼をされた場合には、「先ほどご依頼いただいた内容について確認させて頂きます。」などと、確認のメールを送ることがおすすめです。
後で困らないように、受注の内容を後で参照できる内容でやり取りましょう。

ちひろ先生
メールでもいいので証拠を残しましょう!

やっぱり「契約書」があると、便利

面倒くさいと感じるかもしれませんが、やはり、ちゃんと契約書の形で発注元との合意内容を残しておくと、トラブルになったときに役立ちます。
メールでの合意には、相手がメールを消してしまったり、「その後に条件を変更した」と言われたりしてトラブルに繋がるリスクがあります。
簡単に契約書を作りたい場合、クラウドサインをはじめとする電子契約システムがおすすめです。
紙に判子をわざわざ押さなくても契約ができますよ!

ちひろ先生
大きい仕事ほど、契約書は大切です!

まとめ


フリーランスは、契約について自分で責任を持たなければなりません。
契約には、決めておかなければならないこと・残しておかなければならないことがあります。
それらが決まっていないと、せっかく仕事をしても、いつまでも仕事が終わらなかったり、報酬がもらえなかったりと、とても困ったことになってしまいます。
契約でトラブルに巻き込まれないためには、四つのポイントを押さえ、証拠が残る形で合意した内容を残しましょう!

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