こんにちは!Webエンジニアのショーヘーです。
「今はWeb業界の景気がいい!」と言われますが、その分競争が激しくなったことで経営に苦しむ企業も増えています。
どんどん価格競争が激しくなっているため、原価ギリギリで引き受けている企業もあるくらいです。
そんな苦しいWeb業界にありながら、平均月給41.8万円、残業ゼロを実現している超優良Web制作企業が沖縄にあります。沖縄では月給20万を下回ることも珍しくない中、これはとんでもないことです。
その企業の名前は、琉球オフィスサービス。
どうしてそんな優良経営をできているのかと言うと、ヒミツはそのビジネスモデルにあります。
なんと、琉球オフィスサービスさんでは、中小企業のHPを無料で制作しています!
その代わりに月額7,900円〜のサブスクリプション契約(月額課金型)で収益を出す仕組みとしているのです!その仕組みが大成功し、申し込み実績は5000社以上となっています!
会社員、フリーランスそれぞれでWeb制作事業に携わってきた僕にとって、琉球オフィスサービスさんの話を聞いた時は本当にビックリしましたw
さらに、他にもこんな特徴を持っています。
琉球オフィスサービスさんの七つの特徴!
- 沖縄県をメインに展開しているWeb制作会社!
- 月額7,900円からのサブスクリプション型ホームページ制作が主力事業!
- 申し込み実績は5000社以上で解約率は1%以下!
- 2010年4月設立で今年10期目!従業員数は約40名の安定経営!
- 平均月給41.8万!沖縄は正社員でも月給20万を下回るのが珍しくない中、異例の好待遇を実現。
- 残業ゼロ(18:30には社内システム停止)/ 有給消化率100%など圧倒的なホワイト経営!
- 児童養護施設から進学する子供たちに返済不要の住居費を補助するなど、社会貢献活動にも積極的!
↑ちょっと…良い会社すぎませんかw
僕も存在を知ったのは最近で、こちらのツイートを見たのがきっかけでした。
ということで、琉球オフィスサービス代表の藤本社長(@rosfujimoto)に、根掘り葉掘り聞いてきました!
新規事業を成功させるための着眼点って?
どうして制作費無料なのにそんなにうまく行っているの?
今後Web業界で生き残っていくために必要な力とは?
藤本社長の経営戦略は、フリーランスとして働く人も今後起業したいと思っている人にも絶対に役立つこと間違いなしです。
「そこまで教えてくれていいの!?」ってくらい内情を語ってくれた上に、これからWeb業界で活躍していくためにめちゃくちゃ重要なエッセンスが詰まった話をたくさん聞いてきました。Web業界に関わる人は必見です!(本当に「この数字話していいの!?」ってところまで教えてくれましたw)
- 1. 沖縄に勝機あり!未経験な業界での起業にも関わらず「勝てる」と確信した二つの勝機とは!?
- 2. 中小企業の社長にとって、「ホームページは高すぎる買い物」!?
- 3. サブスクリプション型ホームページ制作事業はこうして生まれた!「契約しない理由」を潰す、常識外れの三つの工夫とは?
- 4. サブスクモデル成功の秘訣は解約率にあり!驚異の解約率が生んだHP制作単価は、なんと〇〇万円!?
- 5. 「サブスクモデルの魅力は、顧客満足度を上げることが利益に直結するところ」
- 6. 給料ゼロ。4000万を溶かした。それでも続けられたのは、「先を予想できるビジネスモデル」だから。
- 7. 良質なサービス= 利益。サブスクリプション成功の秘訣は「顧客満足度」にあり!
- 8. 「経営リテラシー」を磨いてプロダクトの力を最大限発揮すべし!
- 9. 「10回戦って10回勝てる」そんなフィールドを持つ人材になれ
- 10. 感想:サブスクの秘訣を聞きにいったら深い学びがたくさんあった
沖縄に勝機あり!未経験な業界での起業にも関わらず「勝てる」と確信した二つの勝機とは!?
僕は琉球オフィスサービスさんのビジネスモデルを聞いて、「え!そんな凄い経営しているWeb制作会社が沖縄にあるの!?」とビックリして飛んできました(笑)
ブログには関西出身と書かれていましたが、なぜ沖縄で琉球オフィスサービスを起業したんでしょう?
沖縄という地、Web制作会社という業態、それぞれに可能性を強く感じました。
勝算を感じた理由についてそれぞれ教えてください!
勝算①「大手が入りづらく、競争に巻き込まれない地理環境!」
何故かと言うと、沖縄は地理的に商圏が区切られているからです。そのせいで大手と競争になりにくい。
私は起業する前には営業マンとして全国を回っていたのですが、沖縄ほどのびのび商売ができそうな場所は他にありませんでした。
例えば関東だと埼玉や千葉でサービス展開しても、東京の同業者たちとも戦わなきゃいけなくなります。そうすると東京の強い大手たちとの真っ向勝負になってしまいます。
その意味で、沖縄は競争が激しくなりづらいため地盤を作りやすい土地なんです。
「競争が激化しづらい場所で戦う」ってシンプルだけどとても有効な手段ですよね。
僕はバンコクで日本人向けプログラミングスクールを運営していたのですが、ライバルがいないため運営しやすかったです。
差別化と言うと自分の商品を工夫することばかりに目がいきがちですが、戦う場所を選ぶのもとても大事ですね!
勝算②「ニーズはあるけど『手つかずの割合』が多い業界!」
ショーヘーさん、中小企業のホームページ開設率がどれくらいか知ってますか?
・・・60%くらいですか?
残りの6割もの企業が、商売をやっていながら自社を紹介するホームページも持ってないという状態なんです。
ちょっとビックリする数字ですよね(笑)
地方に行くとまだまだホームページを持ってない企業があるなと感じてましたが、まだそんなにあるんですね😲
でも、裏を返せばまだそれほど多くの潜在顧客がいるマーケットだってことです。
「マーケットイン」(ニーズからの逆算)の発想での起業です。
それが現在、沖縄でWeb制作会社を経営している経緯となります。
中小企業の社長にとって、「ホームページは高すぎる買い物」!?
ということは、サブスクリプション型のホームページ制作事業を始められた理由も、その「手つかずの6割」を開拓するための戦略だったのでしょうか!
ニーズがあるのにも関わらず、6割が手つかずになっている。
なら、「作らない理由」を解消する戦略があれば市場を席捲できるなと。
そして、前職でたくさんの中小企業さんを見てきたので、なぜ彼らが作らないかも分かっていたんですよ。
藤本さんが分析された「中小企業がホームページを作らない理由」、ぜひ教えてください!
中小企業がホームページを作らない理由①小規模経営の社長の金銭感覚は、個人のものと変わらない。
つまり、日本の企業のほとんどは小規模経営なんですね。
このくらいの規模の企業さんって、もう個人の金銭感覚とそんなに変わらないんですよ。
制作サイドからすると40万でも「これでも安いよ!」という感覚になるかもしれませんが(笑)
Web制作会社で40万円だと、あまり儲かりませんよね。
デザインやコーディング、その他の販管費とか含めると結構コストかかりますから。
ここに制作サイドとお客さんの間に大きなギャップが存在していたんです。
でも、ホームページの潜在ニーズはほぼ100%に近いってことも分かっていました。
「タダで作れるならぜひ作りたいよ」という感覚です。
中小企業がホームページを作らない理由②高齢の社長にとってホームページは「投資対効果が見えないもの」
社長のITリテラシーも関係しているんです。
どういうことでしょうか?
中小企業においてホームページを作るかどうかの判断をするのは社長の役目なんです。
そして、日本の社長の平均年齢は60歳です。
インターネットやパソコンが普及し始めたのが30歳を過ぎてから、スマホが登場したのは50歳を過ぎてからという世代の方々ですからね。
ITリテラシーが高い人はそう多くないし、インターネットに苦手意識を持ってても無理ないことなんですよ。
ショーヘーさんも、サーバーやドメインの説明で苦労されたことありません?
「サーバーが土地で、ドメインが住所で…」と出来るだけ分かりやすいように例えてみても、なかなか伝わらなかったりとか。
Webの世界って、多くの社長さんたちにとってIT用語や業界の常識はわからないことだらけ。存在がよくわからないので、投資対効果があるのかどうかも判断できないんです。
興味はあっても「40万もかけて効果がなかったらどうしよう」「なんか手間がかかりそうだな」と不安なので、導入に踏み切れない。
これが、中小企業の社長さんが「ホームページを作らない理由」で、開設率が4割しかない大きな原因となっているんです。
サブスクリプション型ホームページ制作事業はこうして生まれた!「契約しない理由」を潰す、常識外れの三つの工夫とは?
- コストの高さ
- 投資対効果の不透明さ
- ITリテラシーの低さ
裏を返せば、この3つの課題さえクリアできれば、7割のブルーオーシャンでビジネスができるってことです。
そのためのビジネスモデルこそが、サブスクリプション型ホームページ制作だったんです。
工夫①コストが高い!?なら「疑似分割払い」で払いやすくしよう!
車なんかでもそうですよね。たとえ一括で買えるお金があったとしても、ローンの方が選択されやすいワケで。
絶対値の高い・安い以上に、「払いやすい・払いにくい」の方が重要なんですよ。
だから初期費用は無料にし、毎月数千円の契約を長く継続してもらうモデルをつくりました。これによってコストの問題を解決したんです。
サブスクリプションと言うと流行の言葉に見えますが、本質的には分割払いの発想なんですね!
工夫②投資対効果が見えない!?なら効果が出なければすぐやめられる「即解約OK」にしよう!
結局お客さんは50万円のコストを回収できるかのリスクを感じるので。
これは、ホームページ制作をしない理由の2つ目に挙げた「投資対効果に対する不安」です。
効果がないと感じたら、1ヶ月でやめてもOK。これで申し込みまでのハードルを一気に下げたんですよ。
これは競合他社さんがなかなか踏み切れないポイントですね(笑)
ちなみに、本当に1ヶ月で解約してもいいんですか!?そういうことってあったりしますか?
そういう超短期解約の理由としては、創業のためにホームページを準備してたけど、創業直前で「ごめん・・・ポシャった」というパターンが一番多いです。
琉球オフィスサービスではホームページの管理費として月々7,900円をいただいてるんですけど、僕らのお客さんで7,900円が口座から落ちない企業さんってどれくらいいると思います?
まぁ、1%くらいですか?(企業で口座から7,900円が引き出せないことなんてあるのか…?)
もちろん一般個人ではなく、自分で商売をされてる個人事業主もしくは法人のお客さんのみで、ですよ。
でも、僕は営業時代にたくさん中小企業さんを見てきたので、そういう企業の気持ちをよく知っていたんです。
だから、絶対に月額費用は1万円を上回っちゃダメだと思っていました。
いつ解約してもいいという形態にしたのも、経営者にとってのリスクを排除するのが重要だと分かってたからですね。
工夫③お客のITリテラシーが低い!?ならリテラシー不要の「全部やりますよ」体制でクリアだ!
これまでの営業経験から、サーバーやドメインといった専門用語を解説して理解してもらおうとする営業方法ではダメだということが分かっていました。
だから、僕たちは「申込書さえ書いて貰えれば、あとは全部やります」としたんです。
写真もこちらで出向いて撮りますし、僕たち相手に社長の想いや苦労バナシ、会社の自慢などを1〜2時間ほど語ってくれればテキストもすべて準備します。
でもサイトを作る時には必要なので、そういう場合は僕らが経営理念まで作ります(笑)
作ってくださいとお願いして待ってても全然進まないですからね。
でもテキストや写真をお願いしてもなかなか返ってこないのもすごくよく分かります(笑)
「ゼロから作ってください!」とお願いしても、お客さんは分からないから出てこないんですよ。
けど、作ったモノを見せてダメ出しをもらう形ならば進められる。
僕らはそこで覚悟を決めて、極力リテラシーを求めないサービス体系にしたんですよ。
徹底的にマーケットインを突き詰めた結果できたのが、今のビジネスモデル
- 初期費用無料・月々数千円という料金体系
- いつ解約してもOK
- 申込書さえ書いてもらえればすべて代行
この3つの施策によって、「コストの高さ・投資対効果の不透明さ・ITリテラシーの低さ」という課題をクリアしました。
徹底的にマーケットインの考え方で落とし込んでいった結果が、今のビジネスモデルなんですね!
ぶっちゃけ40万〜50万のホームページを導入する体力がある企業って、上位数%しかないんですよ。
それこそ、さっき言った社員数30名以上の会社くらいじゃないとね。でもそんな会社はたった3%しかない。
沖縄だけでもホームページ制作会社って50社くらいあるんですけど、みんなこの上位数%を相手にビジネスしてるんです。
僕らはそこで戦うのをやめて、85%を占める「社員10名以下」の会社さんにとって便利な形に特化したんですよ。
さっきから感心しっぱなしなんですけど、よくある格安ホームページ制作会社と、琉球オフィスサービスさんがなぜこうも違うのかがよく分かりました。
未経験のWeb業界で、しかも1契約あたりの収入は数千円、いつでも解約OKなんて…。
こういった常識外のチャレンジをするのに、怖くはありませんでしたか?
なぜかというと、サブスクリプションってかなり正確に先が読めるんですよ。
サブスクリプションモデルでどうやって将来の収益を予測するのか。その説明をしていきますね。
サブスクモデル成功の秘訣は解約率にあり!驚異の解約率が生んだHP制作単価は、なんと〇〇万円!?
平均継続期間は、「1/チャーンレート(解約率)」で算出できます。
Saas型や月額課金型のビジネスモデルでよく用いられる計算式ですね。
例)解約率が5%、月額3000円の商品の場合
ユーザーの平均継続期間 = 1 ÷ 0.05(5%) = 20ヶ月
ユーザーあたりのLTV = 3000円 × 20ヶ月 = 6万円
つまり、1ユーザーあたり6万円の売り上げがある
オススメの参考ページ:ユーザの平均継続期間が「1/解約率」で求められることの数学的証明
平均継続期間は「1 ÷ 0.03」で求められるので、33.3ヶ月。
これがユーザーの想定継続月数です。
月々の管理費は約8000円なので、8000 × 33.3 = 約25万。
つまり、1社あたりの顧客生涯価値は25万円。これが事業計画段階の試算でした。
見かけ上制作費0円だけど、長く使ってくれるから実質的に1社あたり制作費は25万円になると試算したんですね!
1社あたりの顧客生涯価値は、8000 × 40 = 32万。
創業当初の実態は、予想していた25万円よりも良い数値でした。
僕たちは、あくまで月々の売上が8000円なだけであって、1社のお客さんから25万円をいただくモデルなんですよ。
実質的には分割払いに近いんですけど、こっちの方が払いやすいんですよね。
このモデルにすると、解約率が下がれば下がるほど、お客さんから最終的にいただく金額は増えていきますね。
解約の内訳としては、事業を続けられなくなったり、月々の支払いが難しくなったお客さんが約半分。
残りの半分は、やっぱり僕らのサービスが肌に合わなかったり、気に入ってもらえないお客さんでした。
なので、解約率を下げるために徹底的にサービス改善して、現在ではこうなりました。
継続年数125ヶ月って、10年越えてるじゃないですか(笑)
想定売上でいうと、1社あたり約100万ですね。
実は、琉球オフィスサービスのホームページ制作プランは6ページのみ、独自CMSは載せますがDBは利用しないんですよ。
6ページの静的なサイトを100万円で販売するって、ものすごく大変なことじゃないですか。
僕たちは全然安売りじゃなくて、むしろかなりの高粗利で販売できているんです。
DBを使わない6ページのコーポレートサイトが100万(;;;゚д゚)…!?
もう空いた口がふさがりません…。
(というかこの数字ぼくに話しちゃっていいのw)
「サブスクモデルの魅力は、顧客満足度を上げることが利益に直結するところ」
メーカー側からしたら、10万円で作った商品が100万円で売れるならそりゃ売りたいじゃないですか。
でも、お客さんからしたら堪ったもんじゃないですよね。10万で作ったものなら11万で売って欲しいと思うものです。
だから、一般的なビジネスでは両者の妥協点によってプロダクトの価格が決まってしまいます。
デザインのクオリティをあげ、更新のレスポンスをあげ、サポートを充実させることで、お客さんに喜んで長く使ってもらう。
結果、それが利益になるんです。カッコつけでもなんでもなく、お客さんの喜ぶことをした方が自分たちの利益に繋がるんですよ。
「顧客満足度〜」とか言いたいわけじゃなく、自分たちの儲けのためにお客さんを喜ばせた方がいいんですよ(笑)
これって働いてる側もとっても気持ちがいいと思うんですよね。
「お客さんと利害が一致する」、これがサブスクリプションモデルの一番の良さですね。
精神論やスピリチュアルな意味合いじゃなく、戦略的にも「顧客満足度」を上げることが利益になるってことですね。
その結果、平均して10年も契約し続けてもらえるようになった、と…。
給料ゼロ。4000万を溶かした。それでも続けられたのは、「先を予想できるビジネスモデル」だから。
一番しんどかったのは、損益分岐するまでの3年間です。
なので、受注すると最初は10万円の赤字からスタートするんですよ。発注がくるほどクリエイターが必要になるので、ビジネスが順調なほどお金の減るスピードが加速していくんです(笑)
初めの3年間、僕の給料ゼロですよ! それでも綺麗に4000万が溶けていきましたからね(笑)
僕にはそんな状況でとても正常なメンタルを保てそうにないですw
作りきり型のWeb制作だと、月の収支が「今月は何件取れたか?」という営業成果に依存するので先が見えません。
けれど、サブスク型だと毎月の収支が大体エクセルの試算通りになるんです。
事業計画段階で「36ヶ月後には黒字に転ずる」と試算できていたんですが、創業後も毎月だいたいその通りに伸びていったので、あまり焦らなかったですね。
そして試算通り、36ヶ月目で黒字に転じました。
黒字に転ずるタイミングが試算できていたからこそ、損益分岐するまでの3年間を耐えられたわけですね。
理屈は分かったんですけど、それでもやっぱりメンタル強いと思います(笑)
まぁ、そのハードルの高さが障壁になっててマネするライバルがなかなかいないってのもサブスクリプション型の良さと言えるかもしれません。
良質なサービス= 利益。サブスクリプション成功の秘訣は「顧客満足度」にあり!
藤本さんの教訓的なものがあればぜひ教えていただきたいです!
技術もデザインももちろん大事なんですけど、一番大事なのは「お客さんがどう思ってるか」なんですよ。
実は10万円分の広告効果を発揮してても、お客さんからしたら価値が見えないこともあったりします。
だから、僕たちの存在を価値に感じてもらえるように積極的にアプローチしています。
中小企業の社長さんって、自身もプレイヤーとしてやられてることが多いので、本当に忙しいんですよ。
「企業理念のテキスト用意してくれ!」なんて言ってもそんな時間なかなかありません。
だから、そういったお客さんの状況を汲み取ったサービスをすることで、価値を提供しています。
でも、実際にはお客さんの満足度を上げるために泥臭く、地味なことをたくさんしています。
お盆前にはサイトを見て、お盆休みの案内が書いてなかったら「これ書いといた方が良くないですか?こっちで更新しておきますよ!」とお電話したり。
紙の求人雑誌をチェックしてお客さんの会社の求人が出ていたら、「これ、サイトにも載せといた方がいいですよ!」とお電話します。
すると「ああ、ありがとう!じゃあやっといて」となって喜んでもらえるんです。
ぶっちゃけ、お客さんも「これはサイトと関係ない」と分かった上で質問されてるんですよ(笑)
でもそこで邪険にするより、サポートして差し上げたほうがお客さんにも僕らもメリットがありますから、真摯に対応しています。
サイト制作プランでは月5回まで更新をご依頼いただけるんですが、90%以上の更新依頼を即日対応していますし、それを持続できるようにスタッフを配置しています。
しかも月7,900円で5回更新ってことは、1更新あたり1,500円ですよね。
ほぼ即日対応な上に、めちゃお手軽…!
中小企業の社長さんってスキルは素晴らしいけど、経営に関しては素人ですって方も多いです。
その上、とても忙しいので、経営の勉強まで手が回らない方も多いんですよ。
普通のセミナーって、参加する側がお金を払うし、「主催者の話を聞かせてもらう会」じゃないですか。
僕らのイベントは参加費無料で、飲み物も用意して、参加者の方々を「聞きにきてくださったお客様」としておもてなししています。ですから参加された方々はびっくりして、すごく満足してくださいますよ(笑)
琉球オフィスサービスさんのファンになるお客さんが多いのも納得です。
綺麗ごとじゃなく「お客さんに喜んでもらうために働きましょう」って言えるのが僕は好きですね(笑)
その頃はお客さんに高く売るのが正義だったし、恥ずかしい話、売った後のクレームなんて「知らんがな」くらいのスタンスだったんですよ。
そういった考え方を部下にも伝えてしまっていました。今思うと、とても未熟でしたね。
今からは全然想像つかないです。
考えが変わるきっかけがあったのでしょうか?
子供が少し大きくなってから自分の仕事を見たとき、「パパの仕事カッコイイね!」と言ってもらえるかなと考えたんですよね。
そしたら「このままじゃいかんな」と思って。
それでタイミングを見て起業したのが「琉球オフィスサービス」だったんですよ。少し脱線しちゃいましたかね(笑)
「経営リテラシー」を磨いてプロダクトの力を最大限発揮すべし!
「東京フリーランス」の読者はWeb系に興味のあるフリーランスの方が多いのですが、藤本さんから見て「これからのWeb業界に必要だと思うもの」があればぜひ教えて下さい!
ただ、僕は技術のことは分からないしWeb業界でも後発です。
なので、これからの話は「そんなにWeb業界に精通してるわけじゃない」という前提で聞いてください。
でも、職人気質な会社が多く、「いいものさえ作ってればなんとかなる」という発想のところがほとんどでした。
この業界は技術者上がりの社長さんが多いため、技術への関心が強く、経営への関心が弱い会社が多いんです。
技術が大事なのはもちろん分かります。でも、経営を疎かにしちゃもったいないと思うんですよね。
成長戦略の立て方、アウトソースの仕方、サービスの打ち出し方など、経営面でもっと工夫できるはずなのに、それをしないのはもったいないなと。
でも、良いものを作ることとそれが売れるかは別な問題ですよね。
残りの50%は経理だったりマーケティングだったり、経営にまつわる部分だと思うんです。
その経営を疎かにしては、どんなに優れたプロダクトを持っていたとしても最大効果は発揮できません。
プロダクトだけで戦えてるってことですからね!
さらに経営も大事にすれば、今の200%〜300%の成果を出せるポテンシャルを持ってるってことです。それをやらないのはもったいないですよね。
なので、これからWeb業界ではプロダクトの力を最大限発揮するための経営リテラシーを持つことが大切だと思います。
「10回戦って10回勝てる」そんなフィールドを持つ人材になれ
これもイチ意見として聞いてくださいね(笑)
かといって、AIやIoTほどこれから伸びるという業界でもない。
こうした市場が成熟しつつある業界では競争力を持っていることが大事になります。
でも、Web業界はすでに成熟に近づいていて「そのスキルがあるだけで成功する」という業界ではなくなっています。
もう競争力が必要なフェーズになってるんです。
だから自分の競争力をしっかり描いて形にすることが大切になります。
技術力・デザイン力っていうのももちろん大事なんですけど、それだけだともう優秀な人はたくさんいる業界ですよね。
自分の中では「技術力が高いこと」を差別化ポイントにしてるつもりでも、世間を見渡してみると偏差値52〜3だった、ってことも全然ありますから。
だからこそ、エッジを効かせるための戦略を持つというのが大事ですよね。
僕もプログラマーとしての技術力一本勝負なら、到底いまの生活はできてないだろうなと思います。
これが明確じゃないと戦っていけないんですよね。偏差値52とか53とかじゃ全然足りないです。
だから、偏差値70以上の飛び抜けられるフィールドを持つのが大事なんですよ。これって、個人でも同じことが言えると思います。
「この領域、この分野なら、10回戦えば10回勝てる」と言い切れるものを持たないとダメだと本気で思ってますし、個人もそうじゃないかと思うんです。
逆に他は捨ててもいいです。器用貧乏になっても勝てませんからね。
そういう戦略を持った上で、逆算的にスキルをつけていくのが大事じゃないかと思います。
感想:サブスクの秘訣を聞きにいったら深い学びがたくさんあった
ビジネスモデルに驚いて突撃訪問したら、思いもよらずたくさんの話をしていただきました!
読み返したら、僕は「凄い…」ばっかり言ってますね(笑)
本当に目から鱗の連続だったのですが、この記事から少しでも僕の感動が伝わったら嬉しいです!
以下にこの記事でのポイントもまとめておきますね。
- 「お客様が選ばない理由をなくす」ほどのマーケットイン発想でサービスを作るべし
- サブスクリプションビジネス成功の鍵は「顧客満足度」にアリ
- 経営リテラシーを高めてこそ、ビジネスは最大価値を発揮できる
- 10戦10勝できるフィールドを持て。そのための戦略を立て、逆算でスキルをつけるべし
藤本社長の話を伺っていて感じたのは、「徹底的なマーケットイン思考が成功のカギ」だということです。
新しいことを始めるとき、どうしてもその業界の慣習や慣例に従いがちです。
でも、見るべきはお客さんのニーズにあります。
お客さんはホームページを欲しいのか、価値を感じているのか。
欲しいなら、なぜ作らないのか。
その理由について、お客さんの懐事情にまで踏み込んで顧客満足度を上げ続けているから、琉球オフィスサービスさんはここまで契約数を伸ばすことができているのだと思います。
そのきめ細やかなサービス、徹底的な顧客目線についてはインタビューしていて何度も驚かされました。
「サブスクリプション型ホームページ制作」とだけ聞くと、
「ああ、最近流行りのサブスクね」
と思うかもしれません。
けれど、そこに至るまでの思考プロセスとマーケット調査、サービス設計の仕方にこそ僕たちが学べる部分はありそうです。
これからフリーランスの人がどんどん増えていくにつ入れ、競争相手は爆発的に増えていきます。
そうした中で活躍するためにも、藤本社長の仰っていた「競争力をデザインする」ことの重要性はますます増していくでしょう。
これからフリーランスになろうという方は、ぜひとも「10回戦って10回勝てる」フィールド作りについて考えてみてくださいね!
(僕も考え直します…!)
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